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歩くなら今の季節から

 

14.5.13

春の柔らかな日差しと心地よい春風は、人を屋外にかりたてる誘惑です。いままさに歩く季節です。いま歩き出さなければ、今年一年は歩かないで終わります。歩くに際して最も大事なことは自分の歩き方を決めておくことです。数日間だけ猛烈に歩いて終わるのではなく、それを継続してはじめて歩く効用が出てきます。つまり歩く効果は歩いているときの急速効果とそれが2,3日続く持続効果の二つがあります。これには歩くことが日課とならねばなりません。歩きを始める前に、「いつ、どこで、どの位歩くか(何十分)」を決めておくことです。

糖尿病の方は血糖値を下げることが運動の第一の目的です。一般的に述べると、食事30分後に30分間歩くことを基本とします。これを一日に二回から三回行い、一日の万歩計、一万歩になると好ましいです。平成13年4月から厚生省は「健康日本21」で、日本国民(成人)は一日9200歩歩くことを勧めています。一日一万歩は、ほぼ一時間半約300キロカロリー消費に相当します。糖尿病の療養で大切なことは療養法を分けることで、食事にしても一日3回だけではなく、数回に分けるのが効果的です。運動は両刃の剣で、やり方によっては血糖値が高くなることすらあります。たとえば風邪などで体調の悪いとき、仕事が忙しく食事も不規則で疲れている時、寝不足の時の歩行では、血糖値が高くなり易いので、思い切ってやめておくことも療養の一つです。

次に少し歩き慣れているベテラン向けのお話をします。話のポイントは歩く速度と距離です。いつもより少し早く歩く工夫はどうですか。上級レベルになると、エクササイズウオーキングといって、歩きの理論が入ってきます。姿勢をよくして腕はほぼ90度に曲げ、歩幅を身長から百を引いた幅で歩きます。靴底に水をつけて歩くと簡単に測れます。歩く姿勢は腰を水平に移動し、前方に押し出す感じで歩きます。距離は30分3千歩でもよいですが、たまには20,30キロを一日かけて歩くと体力がつきます。この歩きを積算して、北海道1周、日本1周するのも楽しい挑戦です。