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コーヒーは糖尿病に悪い?

 

 糖尿病患者さんにはショッキングな表題です。しかし日本糖尿病協会誌{さかえ}やその他の情報誌にも載っているので取り上ました。

 この研究報告はアメリカの糖尿病学会が発行している「ダイアベテス・ケア」今年2月号に載りました。発表者はオランダのニジュメーゲン大学内科医ケジャーズ医師です。10名の健常者に血糖値90mg/dlを維持するようにブドウ糖とインスリンを持続点滴注射して、絶えず血糖値を一定に調整している人工膵臓を用いています。

 点滴ブドウ糖必要量が大きくなるとインスリンの効きが良いことになり、点滴インスリン量が大きくなり血中インスリン値が高くなった場合にはインスリンの効きが悪いことを示しています。このやり方をブドウ糖クランプ法といいます。ヒトにこの人工膵臓をとりつけて微量のカフェインを2時間点滴静注して血中のカフェイン量を一定に保ちます。そうするとカフェインを静脈注射しない時と比べてインスリン感受性(インスリン作用)が15%低下したと述べています。

 この試験中に測定したエピネフリンと遊離脂肪酸が高くなっていることから、この二つの物質がインスリン感受性を低下させていると説明しています。試験中のエピネフリンが高くなったことにより血圧と心拍数は高くなっています。

 このデーターからはコーヒー一日2、3杯で済んでいる人では問題はありませんが、5杯以上となるとこの論文の警告は有効となります。(コーヒーを5杯以上飲む人はタクシー運転手、公務員に多いという報告もあります)