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6回全国ヤング糖尿病カンファレンス

              in Hokkaido  に参加して

 19.11.12

ちらほらと、山が黄色や赤に色付き始めた10678日の3連休に登別で第6回全国ヤング糖尿病カンファレンスが開催されました。そもそも1型糖尿病のヤング(大体18歳から40歳代でしょうか?)での親睦を深める場、また知識や情報を得る場として日本糖尿病協会の主催で2002年より毎年1回全国で開催されるようになりました。今回、南は鹿児島から北は稚内まで約60人の1型糖尿病患者やその家族、約20人の医療関係者含めたスタッフが参加しました。

今回は「視野を広げ、出来ることから始めよう」というテーマで3日間糖尿病について勉強し、それぞれの思いを討論しあいました。スケジュールは講演が112回、その他に体験談や討論会、分科会(112回)など盛りだくさんでした。

1日目の講演は市立札幌病院糖尿病代謝内分泌科の柳沢克之先生の「糖尿病慢性合併症」のお話でした。糖尿病の細小血管合併症や大血管障害の話に加えて、今の血糖コントロールが良くても以前血糖コントロールが悪ければ合併症が進んでしまう「高血糖の記憶」についてお話されていました。

2日目の講演は小野百合内科クリニックの小野百合先生が「妊娠・出産・子育て」について講演され、出産に関する最新のデータも交えながら、いつでも元気な赤ちゃんを妊娠、出産できるように普段から血糖、体重、合併症の管理を行うことの重要性についてお話されました。

特別講演は東京慈恵会医科大学 糖尿病代謝内分泌科教授の田興尚子先生が「小児1型糖尿病の過去と未来」という題で、糖尿病治療の移り変わりや、持続血糖モニタリング(GCMS)の話題についても話されました。

講演の他にも、1型糖尿病の患者さんが「1型糖尿病と妊娠・出産・子育て」について体験談を話してくれました。妊娠中に無自覚低血糖による自動車事故(自損)や、網膜症の悪化などに合いながらも、無事に出産できたこと、子供の大切さなどを話され、会場は涙を拭く人の姿が多く見られました。

また、「糖尿病の病名変更に関する討論」では「糖尿病」という病名について、グループごとに討論してもらいそれを発表し合いました。「糖尿病という病名は変えてほしい」「病名は変えなくても、世間の人に病気自体の理解を深めてもらいたい」など様々な意見がでていました。

忙しいスケジュールの中でも夕食後の地獄谷散策や、朝6時から木漏れ日の中、天然足湯で疲れを癒しながら約1時間の楽しいウォーキングもありました。

今回、特に印象に残ったのは分科会でした。

1型糖尿病患者同士で1つのテーマ(血糖コントロールの工夫・恋愛、結婚、・食事について・糖尿病との付き合い方など10テーマ)について6部屋に分かれてそれぞれが大体10人前後の患者さんで話し合うという形式で行われました。医療スタッフはアドバイザーとして参加するのですが、司会も1型糖尿病のヤングスタッフで進められます。

私は「血糖コントロールの工夫」、「合併症について」「糖尿病との付き合い方」に参加しました。外食時注射は何処で打っているか?友人や職場に糖尿病であることを話しているか?今までの失敗談など話はつきませんでした。合併症については、漠然とした不安はあるものの、きちんと教育を受けた人は少なく、いつ合併症についてきちんと教育を受けたら良いのか?についても話し合いました。その後も皆さん話足りないようで、自由討論できる部屋で朝まで盛り上がっていたようです。3日間の短い期間でしたが、最終日には皆さん打ち解けあいメールなどを交換して、笑顔で帰っていきました。

1型糖尿病は患者数が少ないために、なかなか患者同士の交流がもてないのですがこのような会があるとその後も連絡が取り合え、相談、励ましあえるのかもしれません。

今回の糖尿病ヤングカンファレンスについては、「さかえ」1月号に掲載される予定です。