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ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは

 2008.7.16

後発医薬品とは新薬(先発医薬品)が発売され特許期間が終了された後に発売される薬品で、効能、効果、用量、用法が新薬と同一のものとされています。

後発医薬品の利点は新薬と比べ安価であることです。新薬価格の2割から7割くらいに当たります。厚生労働省でも医療費を節約する上で後発医薬品を奨める姿勢をとっていますが、医療診療では仲なか積極的に後発医薬品の処方が伸びていないのが実情です。欧米では医薬品の50から60%が後発医薬品で占められていますが、日本では平均17%位ですし、北海道では大病院で8%、中小病院で13%、診療所で16%位です。ではどうしてこの医薬品は普及されないのでしょうか。

基本的な理由としては、まだ日本では後発医薬品の地位が確立されていないことだと思います。

新薬は薬品メーカーが10年から20年の年月をかけて開発し、充分な治験を動物、人間で段階的におこない、そして何度も厚生労働省の審査を経て市場に出ます。そのための経費に数億円が注ぎ込まれています。当病院でもこれ迄に多くの患者さんの協力を得て、10数年間多くの新薬開発の治験をやってきましたが、患者さんにも苦労をおかけしたし医療者もデータを整えるのに大変苦労をしてきました。これらのデータはすべて厚生労働省に提出されます。

一方後発医薬品について述べますと、厚生労働省に提出する審査項目は少なくなり安全性、副作用、効果の安定性などの保証がありません。具体的に述べるとアレルギーやその他の副作用が起こるとか効力が増減されることがあり、薬の保存に対する品質の保証がありません。従って薬剤師、医師は薬効果が少し低くないか、副作用が出ないかの心配があります。また新薬を出す大手の薬品メーカーと比べ、後発医薬品メーカーは中小医薬品メーカーであるため大量生産ができません。需要が多いとその薬を増産することは殆どなく、出しきりとなります。同薬剤の後発薬品メーカーは他にもありますが同一薬品でも薬メーカーによって中身が異なります。

今後は徐々に後発医薬品は伸びると思いますが、後発医薬品メーカーの薬品質の向上と薬管理システムの確立に懸かっていると思います。数社で同一薬品を作っているのであれば統合して品質の良い薬を大量生産すると効率が上がると考えます。

今年4月からは薬剤師の判断で後発医薬品に変更することも可能になりましたから、これからのびる可能性は大きいと予想します。因に当病院の全処方薬剤に占める後発医薬品の割合いは約

23%です。厚生労働省が目標としている30%に至るにはもう少し時間がかかるでしょう。