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家庭血圧測定

2009.7.10

家庭における血糖測定は日常生活の血糖値の悪化を知ることができるので治療法を決める上で大切なことです。自己血糖測定する患者数は年々増加し、機器の販売高も伸びてきています。

一方、一般の人の家庭血圧計の持参している数も年々増大し、日本の高血圧患者4000万人の77%は自宅に血圧計を所有しているといわれています。日本高血圧学会では「高血圧治療ガイドライン」という指導書を2000年、2004年、2009年と改訂して発行しています。

2009年ガイドラインから家庭血圧測定を奨める項目ができました。その中で家庭血圧測定はどのように行うのが正しいかについて述べています。高血圧は糖尿病の特有の合併症ではありません。しかし糖尿病患者さんで高血圧を持つ人は持たない人と比べて糖尿病合併症が2,3倍頻度が高くなり、また発病年齢も早くなります。ただし高血圧があるから血糖値コントロールが悪くなる、調整が難しいということはありません。

まず最初に血圧計の種類として手首式、指先式がありますが、不正確で測定値のばらつきも大きいので避けるほうがよいでしょう。上腕測定型の製品が望ましいです。

家庭血圧測定するときの注意点

  1.測定時刻  朝〜 起床後1時間以内、排尿後、朝服薬前、朝食前、

            座位1〜2分安静後

         晩〜 就寝前、座位1〜2分安静後

         必要によっては夕食前、夕の服薬前、入浴前、飲酒前

  2.測定回数  1回以上(1〜3回)、平均値をとる

  3.期間    できるだけ長期間、そして記録する

  4.降圧目標    

  診察室血圧 家庭血圧
糖尿病 130 / 80 125 / 70
一般人、若年、中高年

130 / 85

125 / 80
高齢者 140 / 90 135 / 85

いずれも診察室血圧の最高血圧は5mmHg高くなっています。極端な人では診察室に入ると急に高く150以上になる“白衣性高血圧”があり、その逆に診察室では正常血圧なのに病院をでると高くなる“仮面高血圧”などもあり、それらを実証できるのは家庭血圧計です。

さらに糖尿病の高血圧の特徴について2、3追加しておきます。

他院で高血圧といわれ降圧剤を服用していた方がきちっと血糖コントロールを整えていくと大半の方は薬剤を必要としなくなります。この理由は血糖値を下げるための治療、糖尿病食(塩分制限)、肥満の是正、日常の運動励行などから自然に血圧が低下し安定するものと考えます。また人によっては降圧剤を服用していないのに血圧が下がる“起立性低血圧”があり、低血圧に悩む人もいます。

以上「高血圧診療ガイドライン2009」の家庭血圧測定の項目から概略を述べました。

糖尿病学会でも「糖尿病治療ガイド2009」をだしており家庭血糖測定(自己血糖測定)について解説している項目があります。