血糖値はどんな時に「高く」、「低く」なりますか?
2011.2.1
どうしても一喜一憂してしまう血糖ですが血糖がどんな時に高くなり、どんな時に低くなるのかについてお話します。
<血糖値が高くなる時>
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食事後(食事の量・内容) |
当院では食事開始90分後を食後血糖と言っていますが、食事の内容によっても食後血糖は大きく変わります。炭水化物に偏った食事(ご飯と漬物だけ)は野菜や海草を一緒に食べた時より食後の血糖が高くなります。
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また食事時間の間隔が5時間以上あく場合、食後の血糖が高くなりやすいので、その場合は血糖値が高くなりすぎるお菓子を食べるよりも、血糖値が急激に高くなりにくい乳製品(チーズや牛乳)などを意図的に摂取するとよいです。
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A
ソモジー効果
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低血糖になると体が危険を感じインスリン拮抗ホルモン(血糖を上げるホルモン)が分泌され血糖値が高くなっていきます。低血糖後のリバウンド現象とも言われています。
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B
暁(あかつき)現象
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夜中の3時くらいから明け方にかけて、インスリン拮抗ホルモンが分泌され、朝食前の血糖が高くなる方がいます。
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C
薬
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一番多いのはステロイド薬による血糖上昇です。ステロイド薬は炎症を抑える作用や免疫抑制作用があり種々の疾患の治療に使用されますので他科に受診する時は糖尿病の治療をしていることを必ず伝えてください。
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D
感染症やシックデー
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感染症を発症するとストレスホルモンや感染した細胞から糖尿病を悪化させるサイトカインが分泌されます。それらのホルモンは血糖値を上昇させるので、風邪の時など食事が十分に取れなくても血糖が高くなることがあります。
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E
精神的ストレス
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身内の不幸や子供の受験、職場のストレス、介護疲れなど日常の様々なストレスによりインスリン拮抗ホルモンが分泌され血糖は上昇します。
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F
思春期
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思春期は人生の中で最もインスリン拮抗ホルモンである成長ホルモンの分泌が高まっている時期なので朝食前の血糖は高くなりやすい傾向にあります。 |
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G
生理前
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性周期による女性ホルモンの影響により、生理1週間前は血糖が高めとなり、生理になると血糖が低下していきます。
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<低くなるとき>
インスリン注射や、経口血糖降下剤を内服している人に多く起こります。内服薬の中でも低血糖を起こしにくい薬もあるので自分の内服薬を確認してください。
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運動(時間・種類)
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習慣的に運動をしていない人が、急に激しい又は長時間の運動をすると低血糖になります。また、運動中だけでなくその日の夜中にも低血糖を起こすことがあります。今時期は雪かきによる低血糖が多く見られますので、気をつけてください。
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A
食事時間
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薬は決まった時間に食事することを前提に医師が決定しているので、普段より食事時間がずれると低血糖になることがあります。
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B
入浴時間
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食事前とか空腹時間に長時間入浴すると低血糖になります。
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また、インスリン注射の場合、入浴によりインスリンの吸収が早くなり低血糖になることもあります。
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以上のようなことで血糖は上がったり下がったりしますが、血糖はあくまでもその時点での血糖でしかなく、つまり点でしかないのです。本来は点を線で結び、一日の血糖の変動をより正常人に近づけることが理想です。一般的には1〜2ヶ月の平均血糖を示すヘモグロビンA1c(HbA1c)をコントロールの指標にしますが、佐久間らによるとHbA1cの約20倍が推定朝食前血糖値になると報告しています。ですから仮に朝食前血糖が低く、HbA1cが高い場合は、他の時間帯の血糖が高いことを考えなくてははいけません。
自己血糖測定をされている人は漫然と血糖を測るのではなく、行動を振り返ることを忘れないで下さい。
血糖をチェックすることは、毎日の生活を振り返り、是正するには良い手段です。
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