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散瞳(瞳を開く)検査を受けるには

 

2013. 6. 8

糖尿病になると眼にも合併症が出ることはお分かりでしょう(糖尿病網膜症)。そのために眼底検査(眼の中の検査)が必要になります。しかしながらその、眼底検査をする上で注意点がいくつかあります。

まず、糖尿病網膜症には自覚症状がありません。自分では全く分からないまま病気が進み、かなりひどくなってから自覚症状が出てくるのです。したがって、自覚症状が出てきた時は、相当悪くなっているということになります。だから、自覚症状がなくても定期的に眼底検査を受ける必要があり、早め早めに網膜症を見つけて治療していかなければなりません。

次に、眼底検査をする上で散瞳薬を使います。それは、散瞳薬を使わなければ瞳が小さいままなので、眼の中の見える範囲が狭いからです。例えて言えば、大きな穴から覗くのと小さい穴から覗くのでは、大きな穴から覗いたほうが広い範囲を見ることができるということです。散瞳薬を使わないまま狭い範囲だけを検査していると、見落としが出てしまいます。だから年に一度は散瞳薬を使って広い範囲を注意深く検査する必要があるのです。

では、散瞳薬を使ったときの注意点ですが、瞳を開いてしまうので非常に眩しく感じます。そしてそれと同時に眼がぼやけます。それは、散瞳薬というのは、瞳を大きくするのと同時に調節力(ピントを合わせる力)を落としてしまうからです。だから、サングラスで眩しさを防ぐことができても、ピントが合わず眼がぼやけるので、車の運転などは非常に危険です。そして、散瞳薬の効き目は4〜5時間続くので散瞳薬を使って検査をした日は車の運転はできません。

だから、「次の検査は瞳を開く目薬を使って検査します」と言われたら、次の検査のときは公共交通機関を使って病院に来るようにして下さい。