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糖尿病患者の寿命

 

2013. 9. 19

  長生きは誰もが願うものです。しかし自分の努力で人生を長く伸ばせるものでもありまん。102歳のあるお年寄りの話を聞くと「気が付いたら100歳を過ぎていた。特に長生きを意識して、気使った生活もしてこなかった。ただ身体に悪いものは食べないし悪いこともしてこなかった」と話しています。

 長く診療に携わっているとどうも長寿者には長寿の家系があって父母とか祖父母のいずれかが長生きしていたといいます。もしかすると糖尿病遺伝子のように長寿遺伝子があるのかもしれません。平均寿命とはいま生まれた0歳の子がこれから何歳まで生きるかを疫学的統計で示した平均年齢をいいます。ちなみに、2010年に発表された日本人の平均寿命は男性1位長野県80.88歳、34位北海道79.17歳、全国平均79.59歳。女性一位は長野県87.18歳、30位は北海道86.34歳、全国平均86.35歳。2012年に発表された世界の平均寿命は男性一位はアイスランド80.8歳、5位日本79.94歳、女性一位日本86.41歳で女性一位は26年間連続しているそうです。

 男女共日本一長寿県は医療費も日本一低く、保健師の保健活動が充実しています。県民の間言葉は「ピンピンコロリ」で、元気でいるために県農産物、○○川の魚を食べ畑仕事に精をだすこととしています。2000年に当時の厚生省は「健康日本21」保健政策をたて、目標平均寿命を80 年において健康生活の指針を示し、それを奨励しました。厚さ4cmにもなる政策指針書をみると中身はほぼ糖尿病の療養生活のやり方に準じています。つまり糖尿病の療養生活を日本国民がやっていると人生80年は全うされるというものです。 最近は人生90年、100年といわれています。平均寿命は毎年の労働厚生省で統計調査を出していますが、僅かづつ毎年延長されています。

 しかしこの長生きには1つ問題があり、介護なしの人生となっているわけではありません。母は96歳で亡くなりましたが3年間は寝たきり老人でした。意識ももうろうとしており、チューブで食事を取り点滴している毎日では長生きに貢献している姿ではありません。誰もが希望する寿命は介護をひつようとしない、自立した生活ができる年数を言うと思います。これを「健康寿命」といって、日本人の2010年健康寿命は男性70.42歳、女性73.62歳となっており連続世界一となっています。

 さて本題の『糖尿病患者の寿命』については次回でお話します。

 

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