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糖尿病と癌

2016.4.11

当院のこの掲示板は毎年2回”糖尿病と癌”のテーマで糖尿病患者さんに癌の啓蒙と忠告を促しています。癌は日本人及び糖尿病患者の死因第一位であります。さらに糖尿病患者は一般の人より癌の発病が2倍高いと言われています。その理由は癌の発病は糖尿病と同じで生活習慣で発病するということです。つまり高脂肪食、肥満、運動不足が生活背景にあり、さらに糖尿病となって高血糖とインスリン抵抗性が癌を引き起こすと言われています。勿論他の原因もあり遺伝、慢性炎症、化学物質、放射線、ビールスや細菌など特殊な条件で癌が発病します。癌になって初めて糖尿病を診断されることもあり、特に膵臓癌では糖尿病が後で見つかっています。

癌については第一に早期発見、早期治療が最も大事です。早期発見の癌は糖尿病と同様に何の症状もなく体内に忍び込んで、治療により直ります。平成28年が始まってまだ3ヶ月しか経っていないのに、当院で12名の方に癌が見つかっています。臓器別で見ると胃癌2名、大腸癌2名、膵臓癌2名、肝臓癌2名、肺癌1名、副腎癌1名、癌性心のう炎(原発不明)1名。これらの方々のうち6名は当院の糖尿病検査入院で見つかっています。検査を受けておくということは命びろいすることもあります。今年39日の北海道新聞社独自の調査で市民の45.6%の方が定期的に癌検診を受けていると回答しています。また75%の方は癌検診の費用の助成を希望しています。 

北海道は全国的に見て癌死亡率が高く、青森県と北海道は全国1,2位を競ってきました。当時はいずれの土地も雪国ということで塩分摂取量が多いためとされてきました。1922年北海道対癌協会が設立され“癌を防ごう”のキャンペーンが始まりました。癌検診は癌になったら早期発見しようというのが目的ですが、理想としては癌にならないようにするのが癌予防です、国立がん研究センターが主体となって作成した“日本人の癌予防法”があります。➀禁煙(間接喫煙も含む)A食生活を見直す(塩分、食材のバランス、野菜や果物を摂る)B肥満防止 ➃適度の運動 D節酒 E肝炎ウイルス、胃ピロリ菌駆除。

日本糖尿病学会は患者の癌発病頻度を重要視して日本癌学会と合同委員会を20137月に発足させました。果たして厳重な血糖値管理は癌発病率を低下させるか否かが大きな関心の的となっています。ヨーロッパや北欧ではHbA1c7.0%以上で癌発病が高くなるというデータは出なかったと報告しています。しかし日本の癌死亡率は年々上がっていることだけは確かです。

是非12年毎の癌検診や短期検査入院を受けることをお勧めします。

     北海道対がん協会札幌がん検診センター(予約制)

        東区北26条東14丁目 電話:748-5522

 

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