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リオ・オリンピック観戦と血糖の関係

2016.9.16

リオ・オリンピック終わりましたね。

この期間は、夜更かし朝寝坊になってしまった人も多かったと思います。

この状態、糖尿病には良くないと思いませんか?

@テレビ見ながらつい口に…:夜中起きているとどうしてもお腹が空いてしまいます。夜遅くに食べると翌日起床時の血糖が高くなります。(当院では夜8時以降になるべく食べないことを勧めています。)

A夜更かし:睡眠時間が短くなるとインスリン拮抗ホルモンという血糖値を上昇させるホルモンが多く分泌され、朝食前後高血糖となります。さらに食欲を増進するホルモンの分泌も増えるため肥満にもなっていきます。

B朝寝坊:夜中TVを見ているとどうしても朝起きれず寝坊して朝食時間が遅くなったり、朝食をとらずに朝食・昼食兼用(ブランチ)になったりしませんか。

普通の生活では朝食を取ると血糖値の上昇に伴ってインスリンも分泌されるので血糖値は下がります。インスリンはインスリンの効きを悪くするFFA(遊離脂肪酸)を低下させる働きがあります。空腹時間が長くなるとFFAはどんどん増加し、インスリンの効きが悪い状態になっていきます。

朝食をとらずに昼食をとると、 FFAの分泌が上昇していますからブランチ後の食後血糖がより高くなることが知られています。

これを「セカンドミール効果」といって、起床後初めての食後血糖に比べ、2回目の食後血糖の上昇が少ないことがわかっています。皆さんも、朝食後の血糖が高く、その割に昼食後の血糖はそんなに高くないことはよく経験していると思います。ですから、昼食後の血糖を上げないために朝食をとりインスリンを分泌させることは大切なのです。

最後にオリンピック選手のようにはいきませんが、運動と血糖改善効果についてお話しします。

運動すると筋肉の中の脂肪量が減少し、インスリン感受性(インスリンの血糖を低下させる効果)が改善し、血糖が下がりやすい体になることがわかっています。順天堂大学の田村准教授の報告では、糖尿病患者さん14名を、食事療法群と食事+運動療法群に分けてインスリン感受性と筋肉内脂肪をみたところ、食事療法単独群では筋肉内脂肪の低下はみられず、インスリン感受性の改善もみられませんでしたが、運動療法を追加した群では19%の筋肉内脂肪の低下と57%のインスリン感受性の改善を認めました。つまり、食事だけではインスリンの効きの良い体にはならないということです。

今までは運動時間は20分以上が望ましいと言われていましたが最近では短時間の運動(活動)を細切れに行なっても運動効果があることが証明されました。

細切れの運動でもいいのなら実践しやすくなりますね。

9月8日からパラリンピックが始まります。生活のリズムを崩しすぎないように応援してください。

 

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