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健康長寿のための食事法

2019.10.16

 

はじめに

健康志向の時代になり、「何を食べたらいいのか」という重要なテ−マについて、色々な人が自由に発信しています。そのため、巷の情報に対し、適切に理解、判断する能力が必要となっています。そこで今回は、誰でも実践できる「食事法」を紹介したいと思います。

 

1.   麦ご飯が、血糖値の上昇を抑えます。

鍵を握るのは、大麦に含まれている水溶性食物繊維です。食物繊維は、食後の血糖値の急上昇を抑え、インスリンの分泌を少なくさせます。また、コレステロ−ルを体に吸収させるのを抑制します。さらに、小腸で余計な脂肪の吸収を抑制するため、内臓脂肪を落としやすいという面もあります。

2.   魚の脂が、中性脂肪を減らします。

鯖や鯵、鰯、秋刀魚など青背の魚に多く含まれている不飽和脂肪酸は、血液をサラサラにして血栓症や動脈硬化の予防、さらには、健康な脳への働きを維持したりと体を助けてくれる成分です。この不飽和脂肪酸は焼き魚だと2割、揚げ調理だと5割減ってしまいますので刺身で摂るのがベストです。また、缶詰の場合は汁ごと利用することが大切です。

3.   大豆は、余分な脂や糖の吸収を抑える良質な植物性蛋白質です。

大豆には、各種ビタミンや食物繊維の他、抗酸化物質が豊富に含まれており、LDL−コレステロ−ルが酸化して変性コレステロ−ルになることを防いでくれます。豆腐や納豆、豆乳など大豆製品は日常的に摂りましょう。

4.   乳酸菌は、脂質や糖質の吸収を抑えます。

乳酸菌は、腸内で乳酸を大量につくりだす細菌の総称で、ヨ−グルトやチ−ズ、納豆などの発酵食品に多く含まれています。ヨ−グルトのもととなる乳酸菌は、酸に弱いため胃酸が濃い空腹の状態では、生きて腸に届きませんので食後に食べた方が効果的です。

 

5.   小腹が空いたときに、おすすめなのは?

@     ナッツ類

クルミやア−モンドなどナッツ類には、血糖値を上げず、ビタミン、ミネラル、食物繊維、不飽和脂肪酸など体に良い成分がつまっていますが、なるべく無塩のものを選んでください。なお、ア−モンドは、1粒で6Kcalですので1日の目安としては、20粒程度に収めましょう。

A     カカオ含有量70%以上のチョコレ−ト

チョコレ−トの原料であるカカオには、ポリフェノ−ルが豊富に含まれていますので、強い抗酸化作用をもっています。また、カカオは、ミネラルが豊富なため、健康長寿に寄与すると考えられますが、1日に25g(糖質10g)までとしましょう。

B     チ−ズ

チ−ズは、血糖値を上げることなく良質の蛋白質が摂れます。ただし、ナチュラルチ−ズを選びましょう。

 

6.   食物繊維は、腸内環境を整え血糖上昇を抑えます。

@     海藻やきのこ類は、ビタミンやミネラル及び食物繊維が豊富なため、大腸癌の予防にも寄与してくれる他、塩分や食品添加物などを体外に排出する役割を担ってくれます。

A     食物繊維が豊富なめかぶと乳酸菌を含む納豆を組み合わせると腸内環境が良くなるだけでなく、食後の血糖上昇も緩やかになります。

 

.水分不足は、代謝を下げます。

1日に必要な水分量は、約2ℓといわれています。十分な水分を摂ることは、消化、吸収を促し栄養素や老廃物の運搬を助けることになります。水分が不足すると、栄養を体のすみずみまで届けることが出来ないため、代謝が悪化します。

 

最後に…

 病気の多くは、私たちの生活が作り出しており、その中でも食事が与える影響はとても大きいと思います。何よりも、大事な健康を守るための食生活について、いつでも相談にいらしてください。

 

管理栄養士 大島理香子

参考文献

 「あなたが太っているのは、栄養不足のせい」

 「医者が教える食事術」

 

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