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糖尿病をもった有名人

2019.7.16

そろそろ夏休みの時期となりました

糖尿病の療養生活にも慣れてきて一息ついているでしょうから夏休みのない人、 毎日夏休みの人もひと息ついているでしょう。

夏休みの読み物として気楽にお読み下さい。

かなり前から糖尿病もっていながら、国内で活躍してきた有名人をご紹介します

展示したデータを見ますと、職種によって糖尿病が多くなる傾向があります。時代を問わず糖尿病が多くなるのでしょう。公表されていない糖尿病有名人はまだまだいると思いますが、今回の調査目的は糖尿病患者を探しだすことではありません。それぞれの職業分野で糖尿病をもって活躍していた人々を紹介しています。

国内で有名な糖尿病専門医師である平田幸正先生(東京女子医大教授)は糖尿病を患っていました。

当時大関だった隆の里関とはある一冊の本がきっかけでお付き合いすることになり、亡くなる時(平成23年)まで相撲を良く知らない糖尿病医師とのお付き合いをしてきました。

昭和48年来院されたときに、横綱を目指すのなら治療法を変えましょうと提案しインスリン治療を始めました。隆の里関は当時の角界で“インテリ関取”とか“ものしり関取”とかの異名がつく読書家で有名でした。インスリン注射の説明を聞き、二、三の質問があって素直にインスリン治療に切り替えました。併せて血糖自己測定することを了解し、自分のインスリン注射量の加減を調整してもらうこととしました。何故なら一度土俵に上がったら引き下がることはできません。土俵に上がるまえに血糖値の自己測定が必要となります。相撲ひと勝負でどの位のカロリーを消費するのかは分かりませんが、低血糖を避けるためインスリン量とスナック菓子で血糖値を調整していました。

インスリン注射をすることにより体調が良くなったのでしょう。この年の名古屋場所で全勝優勝をなしとげ、横綱となりました。そのお礼にと歴代横綱の実物手形一覧を贈呈していただきました。この掛け軸は当院食堂に展示されています。

糖尿病をもっていても生活の精進と努力により横綱と言う大輪の花を咲かすことをしめしてくれました。

医師 佐々木 嵩