腎機能を保つ食生活 2023.2 糖尿病腎症は糖尿病三大合併症の一つです。 進行すると、腎不全へと進み、透析を受けることになれば生活に大きな制限が出ることになります。そこで今回は、腎機能を保つための食事についてご紹介します。
@バランスの良い食事 高血糖は腎機能を低下させる大きな要因ですので、1日3食、主食(表1)+主菜(表3)+副菜(表6)をそろえた食事が大切です。 主食とは、御飯やパン、麺など。主菜とは、魚、肉、卵、豆腐などたんぱ く質を多く含む料理で、副菜とは、野菜、きのこ、海藻を多く含む料理です。毎食、主食・主菜・副菜 を揃えた食事をしましょう。
A塩分を控える 食塩の過剰摂取は浮腫みや高血圧を引き起こし、腎機能低下の原因になります。調理や食品の選び方に注意して、上手に食塩量をコントロールしましょう。 1 汁物やスープは1日1回具沢山にしましょう。 2 うどん、ラーメンなど麺類の汁は残しましょう。 3 ソーセージ、ハム、蒲鉾、珍味類は控えめにしましょう。 4 漬物、梅干し、たらこや筋子などの塩蔵品は控えめにしましょう。 5 干物、塩魚よりも鮮魚を選ぶようにしましょう。 6 醤油やソースはかけるよりもつけるようにしましょう。
<調理の工夫> 1 自然のうまみを利用しましょう。 昆布、椎茸、鰹節、煮干しなどで濃い目にだしを取ると塩味が薄くてもおいしく感じます。 2 風味を利用しましょう。 しその葉、木の芽、生姜、ネギ、三つ葉、ごま、海苔などの風味を利用しましょう。 3 香辛料を上手に利用しましょう。 わさび、唐辛子、こしょう、辛子、カレー粉などを適量用いることで味のアクセントになります。 4 酸味を利用しましょう。 ゆず、すだち、レモン、酢などの酸味を使うと味が強く感じます。 5 料理にアクセントをつけましょう。 一食の料理のうちどれか一品だけに重点的に食塩を用いると、味のメリハリがつき、味の変化や 満足感が得られます。 6 糖分は控えめにしましょう。 煮物などは糖分と塩分の調和です。糖分が多くなると、塩分も多くなるので、控えめにしましょ う。
Bたんぱく質を摂りすぎない たんぱく質はエネルギー源となる主要な栄養素の一つであるとともに、筋肉や、血液などを作るため に重要な栄養素ですが、過剰に摂取するとその過剰な代謝物をろ過するために腎臓に負担がかかります。そのため、腎機能が低下してくるとたんぱく質の分解物(老廃物)を排泄できなくなってしまうので、必要以上のたんぱく質を摂取しないようにコントロールする必要があります。どのくらいのたんぱく質を摂ればいいのかは病期によって変わりますので、主治医に確認する必要があります。まずは、魚や肉、卵、大豆製品などは一食あたり一品+少量とし、何品も重ならないようにしましょう。
最後に、個人によって病態や体の状態は違いますので、必ず主治医に相談してください。また、腎機能の低下とともに、食事療法の内容も変わりますので、詳細は栄養士までお願いします。
栄養士 大島理香子 |