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網膜症について

■ 網膜症というのは、「網膜が病気にかかっていること」という意味です。

ですから、糖尿病網膜症というのは、「糖尿病のために起こる網膜の病気」という意味なのです。網膜というのは眼球の中にある光を感じる膜で、これがきちんと働かないと物が見えません。しかも、一度働きが悪くなってしまうと元に戻すことが難しくなります。

■ 糖尿病の方で血糖のコントロールが長い間うまく行かないと、網膜がだんだんとまたあるときには一気にいたんでいくのです。 糖尿病網膜症の中にも軽いものから重いものまであり、大まかに分けると次の4つになります。

正常(網膜症がない)

 

単純網膜症
前増殖網膜症
増殖網膜症   眼底写真

は数ヶ月に一度眼科の診察を受ければOKです。 (自覚症状がなければ)

になると詳しい検査をして、その結果によってはレーザー光凝固が必要となります。レーザーで網膜細胞の間引きをして悪化を防ぎ、網膜症の勢いを止めるのです。

の場合は、よくてレーザー光凝固、悪ければ手術です。眼球の中に細いはさみやカッターを入れてよけいなものを取り除くことが行われています。今はレーザー光凝固も手術も非常に進歩し、完全に失明することは少なくなっていますが、一度網膜が受けたダメージはまず回復できません。ですから、定期検査をすることによって早期発見・早期治療することが非常に重要です。もちろん理想的には、やはりレーザー光凝固も手術も受けないにこしたことはないのです。

■ 糖尿病網膜症を悪化させないようにするためには、やはり血糖のコントロールが一番大事です。網膜症に効く薬は今はまだ見つかっていません。簡単なことではありませんが、一番効く薬が血糖のコントロールだと考えていただけるといいと思います。

■ 最後になりましたが、ひとつ付け加えます。糖尿病網膜症は初期のうちはほとんど自覚症状がありません。さらに言うとかなり進行して重症になってから自覚症状が少しずつ出てきます。逆に言うと自覚症状が出てきた時はかなり進行して重症になっているといえます。ですから、自覚症状なく視力がよくても定期的に眼科の診察を受けられるようお願いいたします。