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にれの木会会員渡辺秀雄さんの

日本短歌会最高賞受賞のニュース

                                 2012.10.03

渡辺秀雄さんは平成7年受診されて、にれの木会会報にもしばしば近況、心境について投稿されています。短歌に熟達されているためか療養生活が真面目で、血糖コントロールは良好で通しています。私は1,2度短歌のアドバイスを受けたことがありますが、この様な短歌の名人とは全く知りませんでした。

91日に第33回全日本短歌大会「文部科学大臣賞」を受賞された大慶事に心からお喜びを申し上げます。

そこで今回の受賞作品を披露するにあたり、解説をお願いしたところ快くお受けいただき、915日の授賞式(東京)出席のためお忙しい中前々日にお便りを頂戴いたしました。

次の文面は渡辺さんからのお手紙をそのまま書きました。  

 ------- 北海道新聞9/8記事から -------

札幌・豊平区の85歳渡辺秀雄さん 短歌で全国最高 (09/08 16:00)

 退職後の趣味として30年短歌を詠み続けている札幌市豊平区の無職渡辺秀雄さん(85)が、短歌の全国コンクール「第33回全日本短歌大会」で最高賞の文部科学大臣賞に選ばれた。酪農の牛追いや小鳥のさえずりなど道内の自然を詠んだ作品で「北海道の風土まで認められたようでうれしい」と喜んでいる。

 同大会は、日本歌人クラブが主催する国内有数のコンクールで、全国の1110人から応募があった。

最高賞を受賞した渡辺秀雄さん。思い浮かんだ短歌は毎日、チラシの裏に書き留めている

 受賞した渡辺さんの作品は2首一組で、1首目が根室管内羅臼町で見た酪農家の朝をテーマにした「海霧(じり)はれてクナシリ見ゆる午前四時二百頭の牛牧へ追ひ込む」、2首目が仕事帰りの開放感を小鳥の鳴き声で表現した「山ほどに牧草刈りて帰る夕エゾセンニュウの鳴きこゑを聴く」。

 講評では「壮大な自然の中、厳しくも労働に向かう様子が目に浮かぶ。北海道ならではの言葉や鳥をうまく使っている」とされた。

 渡辺さんは元国鉄マン。仕事の傍ら、同僚とともに登山を40年続け、大雪山系や羅臼岳など道内の山はほぼ登頂したという。近年、目や足を悪くし登山はやめたが、自然界に生きる動植物の躍動感が忘れられず、歌に盛り込んでいる。

 渡辺さんは「自分の足で体験したことは何年たっても忘れない。音や響き、においなど奥行きを感じさせる作品を今後も詠み続けたい」と創作活動に意欲をみせる。

 授賞式は15日に東京で行われる。(古田夏也)

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