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平成26年日本糖尿病学会が開催されました

 

2014. 7. 9  

平成26年日本糖尿病学会は5/222324日の3日間大阪国際会議場で開催されました。全国から13000人の医師、医療者が集まり、2755演題の研究発表がありました。

今年の学会は大阪医科大学の花房俊昭教授が主宰されました。花房教授の専門とする1型糖尿病を中心として「糖尿病と共に生きる、夢から実践へ」が主題テーマとなっています。従ってインスリン治療の研究が中心となり、多くの研究発表が展開されました。

1型糖尿病と共に歩む糖尿病専門医」のテーマでは、1型糖尿病を患っている国内、国外の糖尿病専門医師6名が各々の体験談と糖尿病との付き合い方を語ってくれています。1型糖尿病をもって糖尿病専門医として仕事している先生は結構いるようです。今回発表された先生方は自分の病気を真剣に治療し、療養に苦労されています。一人の女性医師は膵臓と腎臓の同時移植を受けており、網膜症と腎不全となりお気の毒な状態となっていますが今も診療に従事されており涙がでる想いです。

「新規糖尿病薬の未来」のシンポジウムで新薬開発の報告がありました。まず1つは今春発売されたSGLT2は血液中のブドウ糖を排尿に沢山排泄して血糖値を下げるというものです。血糖降下作用は大きいようですが適応者条件があり、また副作用が多々報告されていることから、当院では国内、海外の臨床報告をみて慎重に使用することとしています。

次に開発されているGPR40B細胞のインスリン分泌を促進させる薬で治験開発中とのことです。次の発表されたGKAはインスリン分泌促進作用と肝臓のブドウ糖利用を促進させるものです。これも現在治験開発中のものです。

「膵、膵島移植はどうなっていくのか」。糖尿病患者さんを全治させるにはこの方法しかありません。残念なことは日本は膵臓の提供者数がすくないことです。本年228日現在で膵臓移植希望者は186名で、その内29%は5年以上待機しているのが実情です。移植希望者の平均年齢は15歳〜45歳ですが、患者も徐々に歳をとっていくことが気になります。一方アメリカでは1995年から5年間で膵臓移植を受けた人は22075人います。その中の70.2%は膵腎同時移植者です。5年間生着維持率は71.3%です。

「低炭水化物食は有益か、有害か」。アメリカ糖尿病学会では2005年から糖質制限食の有効性に関心をもってきました。しかしもともとアメリカの食事は高たんぱく質、高脂肪食が一般化しており炭水化物は副菜の一つにみられています。

日本糖尿病学会は平成26年の食品交換表第7版の改定で炭水化物の比率を50,55,60%の3通り食べ方を示しました。50%にするとたんぱく質と脂肪量が多くなります。そのことが動脈硬化の進展を早めることを危惧されます。従って腎障害、血管障害を持つ人には推奨されません。

糖質制限食は血糖値低下、体重低下には効果があるようですが長期間やるのではなく6ヶ月位試みることにした方が良いと話しています。

糖質量を考えてインスリン注射を調整する「カーボカウント」というもう一つのやり方があります。これは1型糖尿病、インスリン強化療法の患者さんが対象になります。やり方、考え方が全く別になりますので誤解のないようにお願いします。

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